膝のトラブルを抱えている方が沢山いらっしゃいます。
膝の痛みは日常生活に支障をきたすので膝のケアは大切です。
膝関節は、大腿骨・脛骨・腓骨・膝蓋骨の4つの骨で構成されています。その大腿骨と脛骨の間には、体重を支え、衝撃の吸収や滑らかに可動させる役割を担う軟骨や半月板があります。
この軟骨や半月板は加齢と共にすり減っていく消耗品なので、できれば長く良い状態を維持したいものです。
しかし、膝関節の捻じれやズレ(亜脱臼)により痛みを感じていても我慢し十分な対処が施されないと軟骨のすり減り方や変形の進行が早まります。
例えばO脚をイメージして下さい。
膝の内側が離れ外側へ広がり、膝関節が捻れていきます。そして、膝の隙間の内側が狭くなり、膝の骨同士の内側がぶつかり炎症や痛みを生じます。
つまり膝関節が正しい位置に収まっていないと、膝への負担が継続的に掛かり続けて痛みや炎症が慢性して変形性膝関節症へ進行していくのです。
特に更年期を迎える40代・50代の女性は、ホルモンバランスの影響により関節の変形が一気に進行しやすくなるので注意が必要です。
筋力低下も膝関節の歪みやズレる要因の一つなのですが、筋力が弱くなった全ての方が膝の痛みを訴えているかというと…そうではありません。
変形していても痛みなく生活されている方もいます。
なぜ?何が違うの?と疑問に思いますよね。
その違いは『骨盤』にあります。
その骨盤との関係を一緒に見ていきましょう。
【骨盤が後ろに傾く姿勢】
頭を前に突き出し背中が丸まり骨盤が後ろに倒れる「猫背」の姿勢に多く見られます。
ではレントゲンで確認していきましょう。
まず正しい骨盤の位置と腰椎の写真をご覧ください。
※矢印の所が骨盤です
腰椎が前方(お腹の方へ)へカーブし骨盤が起きている状態。腰椎のカーブによりバランスがうまく取れています。
続いて…
腰椎の前カーブが少なくなると構造上骨盤が後ろへ倒れます。
腰椎カーブの消失によりバランスが悪くなり、重心を支える為に膝を曲げてバランスを取ろうとします。すると太ももや膝周りの筋肉が過緊張を起こし、膝関節周辺に炎症が発生しやすくなります。
そして炎症により軟骨や半月板に負担が掛かり変形が進んでいきます。
また、外側へ体重が加わり膝への負担が大きくなり内側で炎症を起こしやすくなります。重心が後方へ移動し足後面で体重を支えることとなります。
そして”猫背”は胸が下がるので肋骨の動きが悪くなり呼吸も浅くなります(汗)
骨盤が後ろに倒れるので尻が下がり、ポッコリ下腹に…恰好が良くないです(多くの女性は気にしているはず)
また骨盤が後ろへ傾くと腹筋に力が入りにくいので踏ん張りを効かせにくい…
バイクや乗馬でもニーグリップ(軽度の内股)で下腹部に力をいれて上半身を起こし骨盤の真上で安定良くキープできます。”がに股”より”内股”の方が下腹部に力入りやすいですよね。
【骨盤が前に倒れている「反り腰タイプ」】
骨盤が前へ傾斜した姿勢は重心が前に移動し、太もも前面の筋肉が発達しやすく”なります。
太もも前面の筋肉が過緊張し、膝蓋骨の下辺りにテンションが掛かり炎症を発症しやすくなります。
反り腰のデメリットとして足が太くなる…気にされている女性多いですよね。
体の中で最も大きな筋肉の太ももが知らぬ間にどんどん発達していくわけですから「筋肉太り」のような状態になります。
また上半身を反らし胸を張る間違った姿勢は、無駄に筋疲労を作り出すので《血行不良⇒疲労物質が蓄積し”疲れやすい体質”》になります。
続いて膝のレントゲンで比較していきましょう。
明らかに右の状態は問題アリですよね。
右の状態で長時間の歩行、しゃがむ動作が多かった、階段の上り下りが続いたなど…負担が掛かった際に炎症を起こしやすくなります。
腰のカーブが正常数値から外れている方は、膝への負担が掛かりトラブルを抱える可能性が高くなり、将来的に変形性膝関節症を引き起こす直接原因となりますので要注意です。
また、腰椎のカーブが少ない方は、筋肉や靭帯に過度な緊張が掛かり続け腰痛が発症しやすくなります。そして、それを庇うため膝関節へ負担がかかり、炎症⇒軟骨が徐々にすり減っていくのです。
膝にトラブルを抱えている方は、《腰のカーブ+骨盤の傾き》をぜひ確認して下さい!
もう一つお伝えする事は、骨盤の傾きの原因に”頚椎(首)の配列”が関係しています。
頚椎の歪み(首)??と思われるかもしれませんが、首が歪みバランスが乱れると膝の症状の間接的な要因になります。これはまた別にお伝えします。
「膝の痛みを感じている方で肩こり、腰の調子が悪い、姿勢が気になる」このような方は、ぜひ「骨盤の傾き+腰のカーブ」を未病レントゲン検査で確認されてください。
多くの方は、定期的に健康診断を受けられると思います。これは最低限の項目で健康状態を確認します。しかし、背骨の状態を確認する機会はほとんどありません。
未病検査(レントゲン撮影)は一生に数回撮るか撮らないか、極々稀な体験です。
メリットは、現在の骨格の状態を把握でき、今後の健康管理やケガや骨の病気の予防にお役立て頂けることです。
もし興味がある方は私(ささき)までご連絡下さい。
最後まで読んでいただき有り難うございました。