40代から始まる骨粗しょう症。
以前は高齢に多いと思われていた骨の健康問題ですが、最近は若年化が進んでいます。子供の骨折も増加していると注目されています。
丈夫な骨を保つために必要な栄養素といえば、多くの方が一番に思い浮かべる【カルシウム】。実際に、体内のカルシウムの99%は骨と歯に存在し、残り1%は血液、筋肉、神経に存在し、骨の形成だけでなく、筋肉の収縮や神経伝達、血圧のコントロールといった多岐にわたります。
しかし、カルシウムを摂取する上で注意が必要です。
多くの方は幼少期から「骨を丈夫にするために牛乳を飲みなさい」と言われてきたと思います。
しかし、近年では「牛乳がカルシウム源として必ずしも適切しているわけではない」と指摘されています。『え、毎日飲んでいるけど…よくないの?カルシウムを沢山取れるのは牛乳でしょ』と、牛乳はカルシウムが豊富に含まれてカルシウム補給に最適、だから沢山飲んだ方が健康にいいと思っている方が大勢います。
ちなみにカルシウムの1日の摂取量は国によって異なります。
日本は1日に700mgが推奨されていますが、米国は800mg、イギリスやカナダでは500mg、WHOでは 400mgと大きな差があります。このように摂取基準が統一化されていない要因は、カルシウム吸収には複雑な過程を経ることが関係しています。
なぜ、牛乳がカルシウム減として疑問視されているのか??
◆牛乳には多くの「リン」が含有されているからです。この「リン」は、腸管内でカルシウムと結合するので吸収を阻害する主犯格なのです。ですので、牛乳を飲まない方が栄養をより多くの吸収出来ると言われています。
◆カルシウムを大量に摂ると体に悪い影響が??…特に骨粗しょう症の方は要注意。
そうなんです、『動脈硬化を引き起こすリスク』が高くなるのです。骨粗しょう症は、カルシウムを体でうまく利用出来ない状態で、行き場を失ったカルシウムが血液中を漂っている状態。
この血液中のカルシウムが、血管の内壁に付着すると動脈を石灰化(動脈硬化)させ、血液の流れを阻害し、血管系の疾患を引き起こす危険があります。
では、どうすればいいか??
それは、骨の強化でカルシウムの吸収を助ける以下の栄養素を合わせて摂取することが大切です。
◇マグネシウム
マグネシウムはカルシウムと相互して働き、血中濃度比率はカルシウム:マグネシウム=2:1です。この2:1を維持することが大切です。現状では日本人はどちらも足りていません。
なので、骨粗しょう症予防としてカルシウムを沢山摂取しても、この比率が維持できなければ十分に骨が作られないし、動脈硬化リスクも高くなり、寿命を縮める要因となります。血液検査でご確認下さい。
◇ビタミンD
カルシウムを体内に取り込む必須栄養素です。病院で骨代謝の薬を処方されている人もビタミンDを一緒に摂取されて下さい。カルシウムの吸収が良くなります。
食事での摂取、または紫外線を浴び体内でビタミンDを合成することが出来ると言われているので、まさか不足しているなんて!と思っている方が大勢います。
しかし、日本人の10人中7~8人が「ビタミンD不足もしくは欠乏」しています。ネットで検索してみて下さい。ビタミンD不足や欠乏が大勢いると出てきます。
当オフィスの未病検査で血中ビタミンD濃度を確認していますが、多くの方が「ビタミンD不足・欠乏」です。えー嘘―ショックです…と言われた方を実際に何人も見ています。
「17.5ng/mlってまさか欠乏してたなんて…調べてみないとわからないもんですね…」と言われていました。
参考まで
基準範囲
20ng/ml未満…欠乏
20.9~29.9ng/ml…不足
ビタミンDを必要量摂取する目安は以下です。
干しシイタケ(20個) キクラゲ(10個) しらす干し(大さじ3) イワシ(1匹) 鮭(900g)
しかし、実際に食事でどれくらいの量が摂れているのか?正直わからないので、食事では無理だと判断した私(ささき)はサプリメントを活用しています。
積極的に栄養を取り入れる事も大切ですが、その前に栄養吸収を低下させないことも同時に取り組まれて下さい。吸収の効率をよくするには、糖質(炭水化物や砂糖の過剰摂取、加工食品や冷凍食品、惣菜を控える事はもちろんのことです。
日々の食事に栄養を積極的に摂り入れ骨粗しょう症の予防に取り組んでまいりましょう。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。